
採用サービスについて徹底的に解説【医療福祉】
採用活動が上手くいっていない中で、
・「採用サービスを”網羅的に”理解できていない」
・「各サービスの特徴(強みや弱み)を認識できていない」
と感じることはないでしょうか?
全体像を把握し自社に最適なサービスを利用することが、採用の成功への近道です。
一方で、「営業電話は何を言っているのか分からない」「電話応対に負担を感じるため聞かないようにしている」、採用担当者様も多いと思います。
ということで、本記事は、
①業界の採用サービス
②自社に適切なサービスを選定するためのそれぞれの特徴
を理解するために解説しています。
こんな人に読んでほしい
・採用担当者に着任して3年以下で、まだまだ理解が足りない
・複雑なサービスが登場しすぎて、理解を追いついていない
・採用に困っていて、新たなサービスの導入を検討している
この記事では、
→採用サービスの大枠から
→各サービスの細かい特徴まで
→表も用いながら解説しています。
今まで多数の医療、福祉、介護、保育に関わる法人様の採用支援を行なってまいりました。そんなレンタル人事が徹底的に解説しております。ぜひ参考にしてみてくださいね!
採用サービスの種類~無料と有料~
昨今は、様々なサービスがありますが、「金額面」に着目とシンプルで、2つの切り口から理解することができます。
①無料サービス
無料サービスとは、利用しても、基本的には費用が発生しないものを言います。
無料でありながらも、サイトなどの採用ツールを活用でき、応募数の増加を見込めるものになります。
②有料サービス
有料サービスとは、サービスを利用すると費用が発生するものを言います。
費用を掛ける分、応募数の増加や採用業務の負担削減など、円滑な採用活動の可能性を高めることができます。
無料サービス
今から、無料サービスの詳細を見ていきましょう。
①ハローワーク
「ハローワーク」は、厚生労働省が全国500か所以上に設置している公共の職業「公共安定職業所」です。
事業所が作成した求人をハローワークに申請し、受理されればを掲載を開始できます。
掲載後、応募があった際は事業所で応募者対応を行い、採用まで進めていきます。
またハローワークは、「魅力的な求人を作成したい!」などの要望があった際に、相談の場にも活用できます。
②求人検索エンジン
「求人検索エンジン」は、「Google」や「Yahoo!」のような検索エンジンに求人情報が集約されたものです。
ほとんどの求人検索エンジンは、「職種」と「勤務地」を検索することで、求職者が求める求人を手軽に見つけられるサービスです。
求人検索エンジンに求人を掲載する方法は2つあります。
1.クローリング
「クローリング」とは、ネット上の求人を読み込むロボットが、企業のHPや求人サイトから求人広告の情報を集めて、検索エンジンに自動で求人を掲載してくれることです。
※ネット上の求人ページをロボットに読み込ませるには、一定の条件を満たす必要性があります。
2.直接投稿
「直接投稿」とは、検索エンジン内の機能から自ら情報を打ち込むことで求人を掲載できることです。
形式に沿って記入するだけで求人が完成するため、手軽に素早く作成できます。
<サービス例>
・Indeed
・求人ボックス
※Indeedや求人ボックスには課金オプションもあります。
③採用管理サイト
「採用管理サイト」は、自社HP(ホームページ)の採用サイトとは別で採用サイトを作成し、求人などの採用情報を掲載できるものになります。
デザインテンプレートが用意されているので、画像やテキストを入力するだけでよく、簡単に採用サイトを作成できます。
作成した求人は、Indeedなどの他社サイトに掲載することもできます。
<サービス例>
・engage(エンゲージ)
・Airワーク(エアワーク)
有料サービスの概要
次に、有料サービスの詳細を見ていきましょう。
①求人サイト
「求人サイト」は、事業所がサイト内に求人広告を掲載することで、それを見た求職者が応募できるものです。
求職者に直接オファーできる「スカウト機能」を持った求人サイトもあります。
求人サイトの種類は3つあり、それぞれ「お金を支払うタイミング」に応じて区分できます。
1.掲載課金型
「掲載課金型」とは、求人の掲載時に費用が掛かることです。
「数万円~数百万円」と幅が広く、媒体や広告のサイズ、位置、期間、地域などの諸条件によって金額が変動します。
2.応募課金型
「応募課金型」とは、求人の掲載時に費用は発生せず、応募が入った時に費用が発生することです。
1名の応募につき「数万円」の費用が発生することが多いです。
応募数や金額の上限を設定する機能もあります。
3.成功報酬型(採用課金型)
「成功報酬型」とは、求人の掲載時や応募時には費用が発生せず、採用できた時に費用が発生することです。
1名の採用につき「10万円~100万円」程度の費用が発生し、資格や職種によって金額が変動することが多いです。
②人材紹介
「人材紹介」は、紹介会社に登録されている求職者の中で、求人の条件に即した人材を紹介してもらうことができるサービスです。
採用手数料は、「想定年収×20~40%」ほどで、採用が決定した際に支払うことが多いです(成功報酬型)。
③人材派遣
「人材派遣」は、派遣会社と「雇用契約」を交わしている「派遣社員」を、事業所の業務に就かせることができるサービスです。
人材派遣には、「一般派遣(登録型派遣)」と「紹介予定派遣」の2種類があります。
・一般派遣
「一般派遣」とは、派遣期間中(最長3年間)、「派遣社員」を事業所の業務に就かせることができるものです。
派遣期間が終わるまで、毎月「給料×30%前後」の手数料を派遣会社に支払う必要があります。
・紹介予定派遣
「紹介予定派遣」とは、派遣期間(最長6か月)後に、「派遣社員」と「事業所」が「直接雇用」の契約を結ぶことを前提に派遣されるものです。
直接雇用になることで、契約社員時には、毎月「給料×30%前後」の手数料を支払うことに加えて、直接雇用となった時は、「年収×25~30%」の手数料も追加で支払う必要があります。
④採用代行
「採用代行サービス」は、昨今の人手不足問題による、「採用難易度の高度化」や「採用担当者の多忙化」の影響で、ここ数年急増しているサービスです。
採用のプロが、求人サイトやSNSの運用など、採用業務の部分代行をするものになります。
費用体系も様々で、「月額型(サブスク型)」や「成功報酬型」、「ハイブリッド型(月額型と成功報酬型の組み合わせ)」などがあります。
今回は、「代行する業務の範囲」に注目してさらに2つに区分しました。
1.自社サービス代行型
「自社サービス代行型」は、代行会社が開発したサービスのうち、1つもしくは複数を一括で運用するものになります。
求人サイトの場合、求人の作成や修正、求職者へのスカウトの送信、応募者対応など、代行会社が開発したサイトのみを運用します。
2.他社サービス代行型
「他社サービス代行型」とは、代行会社が開発したサービスや、他社サービスも一括で運用するものになります。
求人サイトの場合、Indeedやエアワークなどの他社サイトを複数運用します。
SNSの運用代行などもこちらの型に当てはまります。
採用サービスの特徴
ここからは、各サービスの特徴について触れていきます。
▶無料サービス

まず、無料サービスのメリットは、採用費がかからないことです。
それにより費用の掛け捨てリスクもありません。
しかし、求人の作成や更新が必要になってくるため、負担がかかってしまうことはデメリットになります。
▶有料サービス(サイト)

次に、有料サービスについてです。
まず、求人サイトのメリットは、有料サービスの中では比較的安価に採用できることです。また、「成功報酬型」の求人サイトを利用することで、掛け捨てリスクもなくすことができます。
一方で、無料サービス同様に、運用の負担がかかってしまうことはデメリットになります。また、「掲載課金型」と「応募課金型」の求人サイトは、採用が決まるより前に費用が発生するため、掛け捨てリスクが生じてしまいます。
▶有料サービス(その他)

人材紹介や派遣のメリットは、スピード感を持って採用をできることです。求める条件に合致した求職者が、紹介会社側や派遣会社側にいるかが鍵になっています。
一方でデメリットは、採用手数料が高くなることです。
特に派遣において、月単位の手数料が少額であっても、派遣期間全体で合算してみると、紹介会社の手数料より高額になる場合もあります。
また「紹介予定派遣」では、派遣契約中の毎月の手数料と直接雇用への切り替え時の費用も発生します。
最後に、採用代行サービスのメリットは、業務負担を減らせることです。
また、採用のプロが業務を代行することで、自社採用力の強化にもつながります。
一方でデメリットは、代行に向けた準備の工数がかかることです。
まとめ
「金額面」「採用業務の負担面」「採用までの速度面」の3観点に注目して説明をしてきました。
昨今の医療福祉業界の採用環境を踏まえて、少数に限定したサービスでの採用はかなり難易度が高いです。
そこで、多数のサービスの運用が効果的だと考えています。
例えば、
・低額での採用を優先する法人・施設は、「無料サービス」や「求人サイト」
・採用のスピード感を優先する法人・施設は、「人材紹介」や「人材派遣」
・業務負担の削減や母数団形成を優先する法人・施設は、「採用代行」
というように、現在の採用状況に合ったサービスを多数利用することを意識しましょう。